中国特許調査
中国の特許調査に関して
中国の知的財産権を調べるには
中国の知的財産権に関する調査は、その他の国と同様に、中国国家知識産権局の無料データベース等で検索することができます。中国国家知識産権局は、かつてはSIPO、現在は、CIPAと呼ばれています。SIPO時代は、商標は別の国家組織でしたが、現在は、商標も加わり諸外国とほぼ同様の組織形態になりました。従って、現在は四法に関して調査をすることができます。
中国の増大する文献量とどう向き合うかが現在の課題
SIPO時代の特許庁で公開されている無料データベースでは、一般に検索する項目としては、国際特許分類と、発明の名称、要約のみの検索しかできず、発明の内容で検索して調査する場合には、かなり不十分でした。従って、SIPOの所属機関が作成したCnipr等の他のデータベースの利用が常識的でした。現在、このCnipr(中国現地版)は、中国国内の居住者向けに一部の機能が無料開放されています。
全体像の理解には、発明推進協会の書籍、「中国特許調査の最前線」をご覧下さい。
2022年5月時点でのCIPAのデータベースは、かなり充実した状態になりました。検索項目は、請求範囲、全文明細書も加わり、保存やダウンロード機能も付いた状態です。従って、新規性の判断等の先行技術調査(出願前調査)を行うには、十分なデータベース仕様となりました。しかし、ここで課題となるのは、侵害回避調査等のその他の目的の調査の場合には、一つのテーマに対して確認しなければならない文献量が多いため、数日にわたる調査にデータベースが適しているかどうかです。また、中国の調査でのもう一つの課題としては、言語の壁があり、日本語化に適しているかどうかです。
権利期間20年の特許・実用新案公開件数
2000年~2020年の20年間の日本と中国の公開件数は、日本が7,241,737件であるのに対して中国は、約2倍の13,635,942件となっています。つまり、どのテーマを調べても国内調査の2倍の文献を確認する必要があります。単純な試算で1日で終わる日本対象の調査は、中国では2日かかることになります。
残念ながら、現状のCIPAのデータベースには、最大100件の文献保存機能(工夫して1000件)がありません。また、複数件をまとめてのダウンロードする場合には、請求項がダウンロードできず(一件ごとであれば可能)、データを保管して作業を再開したり、まとめて機械翻訳を利用する場合に、難しい状態となっています。また、日中間のインターネット環境は不安定であることから、必要な時に参照できない場合が発生します。
調査作業の持続性について
弊社では、これらの状況から、安定した弊社のデータセンター内にサーバーがあり、且つ、CIPAとのタイムラグが全くない中国専用の商用データベースと、社内専用のツール、状況に応じて特許専用の翻訳システムを使用することで、大量の中国文献を持続的に効率よく調査できる環境を整えています。
言語の課題に対して
弊社では、中国のネイティブスタッフが、日本特許や米国特許と全く同じコンディションで中国特許を調査しています。また、品質の高い機械翻訳を導入しているので、国内の技術系の調査スタッフとの相互確認ができる体制ともなっています。更に例えば、侵害回避の場合における中国の弁理士有資格者の精査等も可能ですので、様々な場面で安心してご依頼頂けます。